教授
ほりべ よういち
結晶の変化から物性の起源を探る
材料物性・ナノ物性・顕微鏡
透過型電子顕微鏡、相転移、結晶構造、ナノ構造、局所構造、材料物性
我々の役に立つ様々な材料の性質は、原子の配列(結晶構造)とその乱れ方(ナノ構造)によって決まります。我々の研究グループでは、様々な材料での結晶構造やナノ構造について、原子スケールからナノスケールまでの直接観察が可能な透過型電子顕微鏡を使用した研究を行っています。写真は、コンデンサ等に使われる強誘電材料の一種である、六方晶マンガン酸化物(誘電体であると同時に磁性体でもあるので、特にマルチフェロイック材料と呼ばれています)における観察結果の実例です。実際の材料の内部において、非常に変わった形の強誘電ナノ構造が出現しています。こういったナノスケールでの強誘電構造を調べると同時に、結晶構造の変化について原子スケールで直接観察を行い、お互いの関係について解明を試みています。このように様々な材料内部の結晶構造とナノ構造について明らかにすることにより、材料の性質の起源を明らかにするとともに、材料特性の改善や新しい物性を持つ材料の探索を行っています。
(1)様々な材料における相転移に関係した結晶構造・ナノ構造変化と物性起源の解明
(2)マルチフェロイック物質などでの外場印加によるナノ構造制御と新しい物理現象の探索
(3)構造相転移を利用した極小ナノ構造作製による新物質開発
『圧電材料、圧電素子』 森茂生、堀部陽一、尾崎友厚、松尾祥史(特開2009-298621)
(1)「ナノチェッカーボード構造を利用した磁性材料の開発」米国ラトガース大学・台湾大学との共同研究
(2)「スピネル型強相関電子材料における電荷整列現象の解明」米国ラトガース大学・台湾大学との共同研究