イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

徳永 辰也

とくなが たつや

所属
工学研究院
物質工学研究系
プロフィール
1971
生まれ
2004
九州工業大学大学院
博士(工学) 
2004
九州工業大学大学院
工学研究科物質工学専攻
博士後期課程修了
1996
名古屋大学大学院
工学研究科原子核工学専攻
博士課程前期課程修了
1994
名古屋大学工学部
原子核工学科卒業

研究者に対するあこがれはあったかもしれませんが、最初から大学教員になろうと思っていたわけではありませんでした。修士課程修了後、民間企業、公立の研究所、社会人博士課程の学生、国プロジェクト研究員を経て、大学教員になりました。修士課程までは原子力工学分野においてエネルギー関連セラミックス材料の高温熱物性や局所構造に関する研究に取り組んでいましたが、「熱力学」を軸として、研究分野を原子力工学から材料工学へ,対象をセラミックス材料から金属材料へとシフトし、現在の研究に至っています。多くの方々との出会いやその方々からのサポートのおかげであり感謝しています。

受賞
【受賞】AIST Hunt-Kelly Outstanding Paper Award (AIME) First Place受賞(2019年)
【受賞】AIST Rolls Technology Best Paper Award受賞(2018年)
【受賞】日本金属学会論文賞 若手講演論文部門(2007年)

相平衡・相変態に基づく材料設計およびプロセス最適化

● 研究テーマ

  • ❖ 材料設計の地図の役割を果たす状態図を明らかにする研究
  • ❖ 状態図に基づいて材料中の各種挙動・特性などの理解につなげる研究
  • ❖ 状態図を適用して材料設計・プロセス最適化につなげる研究

● 分野

金属材料物性、構造材料および機能材料

● キーワード

状態図、相平衡、相変態、ミクロ組織制御

● 実施中の研究概要

材料の特性はその中に存在するミクロ組織と密接に関連して発現するので、材料中のミクロ組織を制御することは非常に重要になります。「状態図」は温度や圧力などの外部環境の変化によって物質の状態がどのように変化するのかを表した図であり、材料中のミクロ組織を制御する上で必要不可欠な地図の役割を果たします。本研究グループでは、実験や第一原理計算(原子番号と結晶構造の情報から物質の安定性を理論的に計算する手法)から得られる情報を熱力学的に解析して状態図(相平衡)を明らかにする研究、および得られた相平衡・相変態の情報を基にして材料中に生じる様々な現象の理解につなげる研究、および上記を利用して材料設計・プロセス最適化につなげる研究を行っています。研究の対象としているのは、鉄鋼材料、非鉄材料、鋳鉄、ハイエントロピー合金、熱電変換材料、原子力関連材料など多岐にわたります。

● 今後進めたい研究

世の中で使われている実用材料は多かれ少なかれ非平衡プロセスを経ているのでミクロ組織は準安定状態にあります。平衡状態を表す状態図から得られる情報をさらに展開させて、準安定状態におけるミクロ組織形成の理解について実験および計算の両面から取り組んでいきたいと考えています。

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【受託研究】①『PWR構造材及び二酸化ウランに対するPWR制御棒材(Ag-In-Cd)の影響評価』(2016-2019)
【受託研究】②『Fe-Ni基耐熱合金,Ni基耐熱合金および金属系汎用熱力学データベースの開発』、『RE-Al-Si-O系熱力学データベース開発とコーティング材料中の拡散係数解析』(2014ー2018)
【共同研究】『使用済みサーメットチップリサイクルに関する研究』(2015-2017)
など。

● 関連リンク先

❖ より詳しい研究者情報

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/177_ja.html