イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

准教授

制野 かおり

せいの かおり

所属
工学研究院
物質工学研究系
プロフィール
2001
工学博士
鳥取大学大学院
2001
鳥取大学大学院
工学研究科
博士後期課程修了
1999
鳥取大学大学院
工学研究科
修士課程修了

大学を卒業して就職をしようと思っていた時期が就職氷河期であり、就職活動がうまくいかず、分野を変えて大学院へ進学をしてみました。そして、応用数理工学の枠組みの研究室の中で一番面白そうだと思った物質科学系の研究室を選びました。大学院から新たに始めた研究分野は潜在的に興味のあったものだったのか、少し遠回りをしているキャリアパスではありますが、今に至っています。

ミクロな視点から材料をコンピュータでシミュレーション

● 研究テーマ

  • ❖ 計算機シミュレーションによる物質科学
  • ❖ 次世代半導体デバイス材料に関する研究

● 分野

薄膜・表面界面物性、ナノ構造物理、結晶工学

● キーワード

第一原理計算、半導体、ナノマテリアル

● 実施中の研究概要

実験科学、理論科学と並べて、第3の科学として計算科学が位置づけられます。近年では第4の科学としてデータ科学もあるかもしれません。物質科学、マテリアルの研究においても計算科学の役割は重要であり、計算物質科学としてコンピュータにより原子や電子の世界をみていきます。私が行なっている計算は第一原理計算と呼ばれるもので、原子の大きさのスケールを取り扱います。電子系の運動も含め非常に小さいスケールを扱うため、シミュレーションは量子力学に基づくプログラムを用いて行っていき、計算から物質の中の原子の並び方を明らかにして、その性質を調べていきます。

第一原理計算では、さまざまな物質を取り扱うことができます。その中でも、私は主に半導体をターゲットに研究を進めてきました。現在は、省エネルギー社会を支えていく鍵となる技術の一つであるパワーエレクトロニクスに関する材料の研究を行っています。現在のパワーデバイスでは主にシリコン (Si) が使われていますが、シリコンの物質としての性能限界が直接的にデバイスの性能限界となってしまうため、シリコンを別の物質で置き換えることで、高機能化および省エネルギー化を目指す流れがあります。その候補となる材料である炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)に関しての研究を進めています。

● 今後進めたい研究

地球環境問題を解決するためのマテリアル研究をしていきたいです。それは、必ずしも直接的に関わる形のものでなく、装置の小型化・高機能化などのテクノロジーの進化からの解決かもしれません。もしくは、新材料や新たな物理現象からのアプローチからかもしれません。そのような研究を計算からのアプローチで導く、もしくは実験をサポートする形で取り組んでいきたいです。

● 特徴ある実験機器、設備

計算機を用いたシミュレーションを行なっているので、計算機が研究の道具となります。
研究室の計算機クラスタや学外のスーパーコンピュータを利用して研究を進めています。

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

http://www.matsc.kyutech.ac.jp/comat/

❖ より詳しい研究者情報

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/100001666_ja.html