准教授
ときた しゅん
小さいころから「研究をやるぞ!」と志していたわけではないのですが、「もう少し、やってみるか…」を淡々と続けて、気付けば博士号まで取っていました。
”界面”の制御を材料開発へ
結晶組織制御、溶接接合
粒界工学、溶接・接合、組織制御、耐食性
工業製品における「溶接・接合部」や、金属材料における「粒界」など、材料の「つなぎめ」となる部分を強くするための研究を行っています。材料におけるこれらのつなぎめは、工業製品の性能や寿命を決定づける弱点となったり、材料の特性を大きく左右することも少なくありません。こういった弱点を克服することで、製品全体、あるいは材料全体の特性を底上げできるのではないかと考えています。
金属材料中の結晶粒界は、その幾何学的な関係により、安定的な構造をもつ対応粒界と、それ以外のランダム粒界に大別することができます。対応粒界はランダム粒界に比べて耐食性や耐割れ性などに優れることが知られています。この性質を利用して、「金属材料中に対応粒界を高頻度で導入し、材料全体の特性を向上させる」という、「粒界工学」についての研究が行われています。
私の研究では、加工熱処理中の粒界の変化メカニズムを解明したり、これに基づいて材料表面に短時間で対応粒界を増加させる、表面粒界工学についての研究を行ってきました。
また、溶接・接合部における耐食性の評価や、金属とプラスチックをくっつける接合法などについての研究も行っています。
(1)粒界工学の適用により、厳しい高温・腐食環境にさらされる材料の長寿命化・高機能化に貢献したい
(2)溶接・接合プロセスにおける材料の不均一性を活かして、新たな材料の開発につなげたい
(3)積層造形などの新たな材料創製プロセスにおける材料的な課題を解決して、モノづくりの発展に貢献したい
