イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

准教授

田村 かおり

たむら かおり

所属
工学研究院
基礎科学研究系
プロフィール
2015
九州大学大学院
システム生命科学府
システム生命科学専攻修了
2015
博士(システム生命科学)
(九州大学)

テレビやネットでは脳の機能について「○○な人は××だと脳科学的に証明!」などと喧伝されることがありますが、実際はわかっていないことばかりで、研究しがいのある分野です。特に嗅覚は、他の感覚(視覚や聴覚など)と比べて教科書にも書かれていない部分が多いです。それだけ難しく、新発見も多いところが魅力です。

受賞
第16回日本感性工学会春季大会優秀発表賞 受賞 (2021年)

脳波計測でヒトの複数感覚情報(クロスモーダル)処理のメカニズムに迫る

● 研究テーマ

  • ❖ 嗅覚と視覚情報を同時処理(クロスモーダル処理)時の脳内処理メカニズム解明
  • ❖ 脳活動計測による新しい認知訓練手法の開発

● 分野

生体医工学、感性情報学、神経科学

● キーワード

脳波、嗅覚、記憶、感覚情報のクロスモーダル処理

● 実施中の研究概要

【嗅覚と視覚情報を同時処理(クロスモーダル処理)時の脳内処理メカニズム解明】
においがあるときと無いときでは、同じものを見ていても印象が変わるときがあります。においを嗅ぎながら何かを見ているとき、見ているものへの注意や記憶が上下する現象について、脳波をはじめとする脳活動計測により検討しています。
派生的なテーマとして、においから連想される色についても調査しています。ある特定のにおいを嗅いだとき、わたしたちは様々な印象を思い浮かべますが、同じにおいでも人によって感じ方や印象が違ったりします。あるにおいからどんな色が連想されるのかを計測し、連想色の特徴や分散からにおい印象が形成される過程を調査しています。

【脳活動計測による新しい認知訓練手法の開発】
脳活動計測と工学技術を融合した技術をブレインテックといいます。ブレインテックは身体機能や認知機能の改善等に期待されていますが、精度や再現性の面ではまだまだ検討が必要な分野です。現在、ブレインテックにより脳波応答を増強させるシステム開発に取り組んでおり、従来と比較して高い再現性を示すシステム実現を目指しています。

その他、においや屋内環境の快適性について、脳波などの生体情報処理から評価する研究などにも従事しています。

嗅覚と視覚同時処理に関する脳内処理研究のイメージ

● 特徴ある実験機器、設備

小型脳波計

● 過去の論文や著書などの業績

  • 【論文】
  • Kaori Tamura, Tsuyoshi Okamoto:Odor descriptive ratings can predict some odor-color associations in different color features of hue or lightness, PeerJ , 11, e15251-e15251 2023
  • Kaori Tamura, Masayuki Hamakawa, Tsuyoshi Okamoto:Olfactory modulation of colour working memory: How does citrus-like smell influence the memory of orange colour?, PLOS ONE , 13(9), e0203876-e0203876 2018

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

https://tamuralab-kyutech.studio.site/

❖ より詳しい研究者データ

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/100001803_ja.html