准教授
たむら かおり
テレビやネットでは脳の機能について「○○な人は××だと脳科学的に証明!」などと喧伝されることがありますが、実際はわかっていないことばかりで、研究しがいのある分野です。特に嗅覚は、他の感覚(視覚や聴覚など)と比べて教科書にも書かれていない部分が多いです。それだけ難しく、新発見も多いところが魅力です。
脳波計測でヒトの複数感覚情報(クロスモーダル)処理のメカニズムに迫る
生体医工学、感性情報学、神経科学
脳波、嗅覚、記憶、感覚情報のクロスモーダル処理
【嗅覚と視覚情報を同時処理(クロスモーダル処理)時の脳内処理メカニズム解明】
においがあるときと無いときでは、同じものを見ていても印象が変わるときがあります。においを嗅ぎながら何かを見ているとき、見ているものへの注意や記憶が上下する現象について、脳波をはじめとする脳活動計測により検討しています。
派生的なテーマとして、においから連想される色についても調査しています。ある特定のにおいを嗅いだとき、わたしたちは様々な印象を思い浮かべますが、同じにおいでも人によって感じ方や印象が違ったりします。あるにおいからどんな色が連想されるのかを計測し、連想色の特徴や分散からにおい印象が形成される過程を調査しています。
【脳活動計測による新しい認知訓練手法の開発】
脳活動計測と工学技術を融合した技術をブレインテックといいます。ブレインテックは身体機能や認知機能の改善等に期待されていますが、精度や再現性の面ではまだまだ検討が必要な分野です。現在、ブレインテックにより脳波応答を増強させるシステム開発に取り組んでおり、従来と比較して高い再現性を示すシステム実現を目指しています。
その他、においや屋内環境の快適性について、脳波などの生体情報処理から評価する研究などにも従事しています。
小型脳波計
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