イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

小幡 博基

おばた ひろき

所属
工学研究院
教養教育院
プロフィール
1979
生まれ
2009
学術博士
東京大学大学院
2007
東京大学大学院
総合文化研究科
博士課程単位取得退学
2004
芝浦工業大学大学院
工学研究科修士課程修了

医療や福祉の分野でヒトの役に立つものを作るには、ヒト自体を詳しく知らなければならないと学生時代に思ったことが、私が神経科学領域の研究者になったきっかけです。

身体を知り身体へ応用する

● 研究テーマ

  • ❖ 歩行補助用具の神経科学的特性の解明
  • ❖ ニューロモジュレーションによる運動学習の促進

● 分野

神経科学、スポーツ科学、医療福祉工学関連

● キーワード

脳の可塑性、経皮的神経刺激、ポールウォーキング

● 実施中の研究概要

❖ 歩行補助用具の神経科学的特性の解明

加齢や障がいによる下肢機能および姿勢制御能力の低下は転倒リスクを増大させるため、歩行補助が必要となった方は転倒予防のために片手杖や歩行器などを用いて歩行を行っています。現在、高齢者や運動機能障がい者におけるこれらの歩行補助用具は、歩行をサポートすることに重きがおかれ、歩行能力の維持や回復への効果は重要視されていません。現在私が行っている研究では、①二足歩行(通常歩行)との神経基盤の共有、②脊髄歩行神経回路の活性化、③脳の高次中枢の参画、という神経科学的な視点から、歩行補助用具が歩行能力維持や回復に与える影響を再評価しています。この研究のゴールは、高齢者や運動機能障がい者の歩行能力を最大限に引き出すための新たな歩行補助用具を開発することです。

❖ ニューロモジュレーションによる運動学習の促進

脳や末梢神経を非侵襲的に刺激し、脳や脊髄などの中枢神経系の活動を変調するニューロモジュレーションは、うつ病やてんかんなどの治療、リハビリテーションの補助的手段など、近年注目されている神経科学的手法の一つです。現在私が注目しているのは、このニューロモジュレーションの運動学習への応用です。具体的には、やる気やモチベーションに関連する脳領域や、脳深部の神経核へ投射している迷走神経を非侵襲的に刺激することで、様々な運動課題の学習がどう影響を受けるのかを調べています。

● 今後進めたい研究

高齢者や障害のある方の運動機能の維持や回復のための、脳や脊髄の潜在能力を最大限に引き出す歩行補助用具やリハビリテーション機器の開発です。

● 特徴ある実験機器、設備

経頭蓋磁気刺激装置、経頭蓋直流電気刺激装置

● 関連リンク先

❖ より詳しい研究者情報

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/100000904_ja.html