教授
さとう ともみ
私たちの社会は、他者の考えや心情を理解し、その理解をもとに他者と協力する力に支えられています。しかし日常生活から分かるように、他者を正確に理解することも他者と協力することも容易ではありません。この齟齬から、「私たちは他者の考えや心情をどのように理解しているのか、他者と協力する意志はどこから来るのか」を研究しています。
人の心の理解から社会が動く仕組みを解き明かす
教育心理学、認知科学
心的状態、協力、キャリア形成
企業でのプロジェクトなどでは、それぞれの成員が自身の能力やスキルを発揮しながら、チームに協力し続ける必要があります。しかし実際には、「最初は協力的でも徐々に“ただ乗り”し始める」など、チーム全員が協力し続けることは大変難しくなることが分かっています。このような非協力的な成員の存在は、チーム全体のパフォーマンスだけではなく協力的な成員の意欲まで低下させてしまうなど、チームが目標を達成するうえでの大きな阻害要因となりえます。これは裏を返すと、協力し続けるために必要な要因を明らかにすることができれば、企業でのチームプロジェクトなどの質を高めるための介入方法を明らかにできるということです。このような重要性から、「他者の考えや心情を理解・推測する力」を軸として、「人がチームの中で『協力し続ける』ためにはどのような心理要因や環境要因が必要になるのか」「どのような心理要因・環境要因があれば、人の協力意識を維持し、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができるのか」について研究しています。また最近では、これらの研究で得られた知見や培った研究手法を実社会に応用する取り組みも行っています。
「顧客のニーズを正しく把握し、その理解をもとに企業のマーケティング活動を支援する」など、人の心的状態の測定・評価手法を実社会で活用する取り組み
人の心理状態(感情、ニーズ、能力、スキルなど)の測定・評価
2005-2012 通信教育大手企業での商品開発(委託研究員)