イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

工学研究院

教授

平木 講儒

ひらき こうじゅ

所属
工学研究院
宇宙システム工学研究系
プロフィール
1965
生まれ
1992
東京大学大学院
大学院工学系研究科修士課程(航空学専攻)修了

専門は流体関連振動ですが、「動くものなら何でも」を合言葉に、研究対象を日々広げている何でも屋です。現在、学生に夢を与え、航空工学に関心を持ってもらうために、毎年琵琶湖で開催される鳥人間コンテストへの出場・記録更新を狙う「人力飛行機製作チームKITCUTS」の顧問として、チームの自主的な活動をサポートしています。

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動くものなら何でもやります!!

● 研究テーマ

  • ❖パラフォイルを利用した自律飛行型輸送システム(Unmanned Aerial Vehicle)の開発
  • ❖羽ばたき推進による超小型無人飛行機(Micro Aerial Vehicle)の開発
  • ❖衝撃波の振動現象に関する研究
  • ❖静止型ミキサーによる微細化メカニズムの研究
  • ❖垂直軸水車による潮流発電
  • ❖多粒子ダンパによる制振法の研究
  • など

● 分野

宇宙工学、機械力学、流体工学

● キーワード

柔軟構造物、流体関連振動、羽ばたき、自律飛行、MAV、UAV、パラフォイル、衝撃波、可視化

● 実施中の研究概要

① 鳥や昆虫の飛翔メカニズムを研究しています。羽ばたき運動により飛行を実現するハチ・トンボなどを対象に、可視化手法を利用して流れ場を観察するとともに、風洞内で力測定を通じて、飛翔メカニズムに対する理解を深めています。(参照図1)

② ホバーリングなど高度なマヌーバを達成しているトンボを参考にして、4枚翼を有した小型羽ばたき式飛行機の動力化を行っています(参照図2)。自然災害発生時に、このような無人機を即座に現地に送り込み、迅速な被災状況把握に役立てることが期待されています。

③ パラフォイルを使った無人輸送システムの開発を行っています。地震・台風などの自然災害でライフラインが断たれた場合に、このシステムを利用して被災地に迅速に救援物資を送り届けることが考えられています。このための準備段階として、アメリカ・ネバタ州で1Kgの実験機をロケットに搭載して、自動で目的地まで誘導する実験を行いました(参照図3)。

④ スポーツ関連のプロジェクトとして、松坂投手が投げる「ジャイロボール」を対象にその変化の謎を追及しています(参照図4)。将来の「魔球」が生まれるかも?

● 今後進めたい研究

『関門海峡での潮流発電』 
太陽光発電では日射、風力発電では風量と、気象条件の影響を受けるのに対し、必ず生じる潮流を利用する発電法に注目しています。関門海峡という地の利を活かした自然エネルギの利用をぜひ実現したいと考えています。

● 特徴ある実験機器、設備

低速風洞実験装置(可視化用風洞・低騒音風洞も所有)、
小型振動試験装置、
高速ビデオ装置、
シュリーレン可視化装置

● 知的財産権(技術シーズ)

『羽ばたき式飛行装置』  
特願2007-533258(2006)、特許第4150799号(2008)、平木講儒、後藤尚史

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

【受託研究・共同研究】
▶空気吸い込み式推進機関の回収型飛行実験機の検討 株式会社アイ・エイチ・アイ・エアロスペースとの共同研究
▶生体構造の計測/モデリング技術の開発 株式会社アイ・エイチ・アイ検査計測との受託研究
▶無人飛行機用緊急時緩降下システムの開発 ドイツ・ブラウンシュバイク工科大学との共同研究
▶非定常衝撃波の可視化法に関する研究 オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学・NHK放送技術研究所、宇宙航空研究開発機構との共同研究

● 研究室ホームページ

①マルハナバチの羽ばたき中の流れの様子

②開発中の4枚翼型羽ばたき式飛行機

③無人パラフォイルによる飛行実験の様子

④ジャイロボールまわりの流れ場の可視化