イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

生命体工学研究科

教授

村上 直也

むらかみ なおや

所属
生命体工学研究科
生体機能応用工学専攻
プロフィール
1980
生まれ
2007
北海道大学大学院
博士(地球環境科学)
2007
北海道大学大学院
地球環境科学研究科
物質環境科学専攻
博士後期課程修了
2004
大阪大学大学院
基礎工学研究科
物理系専攻
博士前期課程修了

学部生時代から光エネルギー変換に興味があり、博士前期課程では太陽電池の研究をしておりましたが、博士後期課程では光触媒の研究をしてみたいと思い、北海道大学の大谷文章先生の研究室の門を叩きました。このとき光触媒の分析に使用した光音響分光法は、機能を拡張させながら現在も研究に活用しております。

受賞
【受賞】
第7回Honda-Fujishima Prize受賞(2011年)

光を使った分析、光を使った反応

● 研究テーマ

  • ❖ 光音響分光法を用いた半導体粒子の評価
  • ❖ 光触媒・光電極反応の内部量子効率の測定
  • ❖ 半導体粒子の電子蓄積機能を用いた光触媒反応

● 分野

無機工業材料、エネルギー関連化学、物理化学、分析化学

● キーワード

光触媒、半導体粒子、光音響分光法

● 実施中の研究概要

光触媒反応は、太陽光をはじめとする光のエネルギーを用いて室温・常圧において化学反応をおこすことができるため、環境にやさしい反応プロセスとして期待されています。半導体を用いた光触媒反応では、光励起により生じた正孔と励起電子が移動し、表面上で酸化還元反応を行うことによって進行するため、これらの挙動を調べることが重要です。光を用いた分析では、反応のその場における分析を行うことができますが、光触媒によく用いられる微粒子上では光散乱が起こるため、測定を正確に行うことは難しいといった問題点があります。我々の研究グループでは、微粒子材料の測定に有効な光音響分光法(PAS)を用いることによって、半導体材料の評価や反応のその場分析を行ってきました。実験は、研究室で設計・組み立てを行った自作の分析装置を用いて行っております。さらに、分析により得られた情報を活かして、新たな光触媒反応系の開発も行っております。現在研究中の反応系では、半導体微粒子の電子蓄積機能を利用することによって、酸化反応と還元反応のタイミングをずらすことが可能です。これをうまく活用すれば、光触媒反応で問題となっている逆反応を抑制することが可能であり、回収困難とされてきた物質を得ることができます。

● 今後進めたい研究

  • ❖ 様々な材料分析に有効活用できるような光音響分析装置の開発
  • ❖ 半導体光触媒を用いた物質変換システムの構築

● 特徴ある実験機器、設備

❖ 分光光源(極紫外、紫外~近赤外、中赤外)
❖ フーリエ変換赤外分光法(光音響セルで測定)
❖ 光電極・光触媒反応の内部量子効率の測定システム

● 関連リンク先

❖ 研究室ホームページ

❖ 研究室紹介(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=6iZIeTKVNoA

❖ より詳しい研究者情報

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/124_ja.html