生体組織修復のための新素材創成
医用生体工学、生体材料学、無機材料・物性
生体材料、医用セラミックス、複合材料,表面処理、マイクロカプセル
病気やけがにより損傷を受けた組織や器官の機能を代替するための、生体材料の開発を行っています。主として骨や歯、及び軟骨の修復に焦点を合わせ、材料表面の構造を分子レベルで制御することにより、生体組織と異物反応を示さず高い生物学的親和性を有する新素材の設計を進めています。
① 生体機能材料の創成:天然の骨は、無機の水酸アパタイトと有機のコラーゲン繊維が組合わされた有機-無機ハイブリッド構造をとっています。骨と結合する特性の発現に有効な無機成分を有機高分子と複合化できれば、機械的特性においてもより骨に近い素材が得られると期待されます。私たちの研究室では、このようなハイブリッド材料をさまざまな有機高分子から得る試みを進めています。
② 生物に学んだセラミックスの合成:骨や貝殻は、水酸アパタイトや炭酸カルシウム等のセラミックスとタンパク質からなるナノハイブリッドであり、生物はこれらの組織を常温、省エネルギーで作り出しています。私たちは、生物の営みに学んだバイオミメティック法により、さまざまなセラミックスを常温常圧の下で合成し、環境に対する負荷の小さいエコプロセスの開発を進めています。
③ 機能性マイクロカプセルの創成:中空の微小球であるマイクロカプセルは、その表面に各種物質の吸着能を付与することで、ドラッグデリバリー(DDS)用担体や抗菌材料、光触媒など高機能材料としての応用が期待されます。さらに、強磁性セラミックスや、β線を放射するセラミックスを基材とすれば、患部に送り込むことで、がんを局所的に効率よく治療することも可能になります。私たちは、この種のマイクロカプセルを水溶液反応により合成する試みを進めています。
機能性マイクロカプセルの新たなる応用開発
生体試料用走査型電子顕微鏡(SEM、日立S-3500N)、エネルギー分数型X線分析装置(EDX、堀場製作所EMAXENERGY)、X線回折装置(粉末・薄膜)(マックサイエンスMXP3V)
『植物性タンパク又はポリペプチドとアパタイトとからなる複合材料及びその製法』 特開2006-181159
『人工骨用ペースト』 特開2007-054278
【共同研究】
▶金属表面へのセラミック層形成による耐摩耗性付与(2008)
▶生体機能を利用した骨構造再構築材料の開発(2007)
▶金属表面へのセラミック層形成による耐摩耗性付与(2007)
▶生体機能を利用した骨構造再構築材料の開発(2006)
http://fais.ksrp.or.jp/05kenkyusha/srchresult.asp?ID=t-miyazaki01