イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

生命体工学研究科

准教授

加藤 珠樹

かとう たまき

所属
生命体工学研究科
生体機能応用工学専攻
プロフィール
1963
生まれ
1994
博士(理学)
九州大学
1991
九州大学大学院
理学研究科化学専攻
博士後期課程中退
1988
九州大学大学院
理学研究科化学専攻修士課程修了

 生体分子を用いて、機能性分子を作りたいと思ったことが、研究を始めたきっかけです。

より詳しい研究者情報へ

生体分子を用いたナノチューブの構築

● 研究テーマ

  • ❖環状ペプチドの積層によるナノ構造体(ペプチドナノチューブ)の形成

● 分野

生物分子科学、生体関連科学、高分子化学

● キーワード

ペプチドナノチューブ、医薬機能を有する環状ペプチド、酸素活性検出バイオチップ、触媒機能を有するポリペプチド構造体、酸素阻害剤

● 実施中の研究概要

ペプチドを中心としたまったく新規の人工機能性分子の設計および合成と機能解析を行っています。
特に、ペプチドの自己集合により積層構造が形成されるペプチドナノチューブを利用して、光機能性ナノ構造体の形成を進めています。

❖社会的意義

ペプチドナノチューブは生体由来の材料であるアミノ酸が基本構造であり、生体や環境への親和性が高いため、医薬、臨床検査、家庭内健康管理などの開発分野へ基本素材として提供できます。

❖研究の独創性

生体分子の環状ペプチドに光反応性の官能基(ポルフィリン、フラーレンなど)を導入し、これをナノチューブとして組合せることです。

❖研究の産業的応用・用途

光機能性分子を活用した工業分野への応用。
※環状ペプチドによる医薬機能化、酵素活性検出、触媒機能化等の生命体工学分野。

❖研究の進捗段階

環状ペプチド積層によるナノチューブは完成、光機能分子を作る段階に入っています。

❖PRする内容

環状ペプチド上に導入して組み合わせることにより、官能基の組合せの比率や相対的な距離を自在に変化させた実験を自在に行うことができ、これらの官能基間での電子移動・エネルギー移動に最適な構成を見出すことが可能になります。また、この官能基を配置するための設計および合成が容易であり、最適解を得るための試行錯誤を最短にできます。

● 今後進めたい研究

光機能性ナノ構造体の形成

● 特徴ある実験機器、設備

①ペプチド(注1)の自動合成装置
②分子量測定装置(LC-MS)
③各種有機合成設備
(注1)アミノ酸が2つ以上つながってできた分子の総称。タンパク質との違いは、分子量が小さいことだけだが、境界が明確に定義されているわけではない。概ね2から10程度のアミノ酸で構成されるものを単にペプチド、10から100程度までをポリペプチド、それを超えるものをタンパク質ということが多い。

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

地域新生コンソーシアム研究開発事業(経済産業省)
『酸素基質ライブラリーの設計合成技術の開発』のグループの一員として研究費を受ける。

● 研究室ホームページ

ナノチューブ構造体の形成

透過型電顕写真で得られたペプチド繊維状構造

●(公財)北九州産業学術推進機構研究者情報ページ

http://fais.ksrp.or.jp/05kenkyusha/srchresult.asp?ID=t-kato01