イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

生命体工学研究科

教授

ジァン ドゥーソッブ ジェームズ

所属
生命体工学研究科
人間知能システム工学専攻
プロフィール
1960
生まれ
1989
保健学博士
東京大学大学院
1989
東京大学大学院
医学系研究科保健学
専攻博士課程修了
1986
東京大学大学院
医学系研究科保健学
専攻修士課程修了

産業保健分野での研究に取り組んできた研究者は、組織における「人」の健康資源を確保するため
の考え方と進め方が必要であると考えています。
「人」を基調とし、働く人々の健康資源を効率的に活用するために目標管理・指示報告・予定管理を通して、チーム構築・活動・評価に関する実践的な研究を行っています。

より詳しい研究者情報へ

真に己の弱さを知る者こそ、チームを作る

● 研究テーマ

  • ❖ 包括的健康資源を戦略的に確保するための考え方と進め方

● 分野

公衆衛生、経営学、教育学

● キーワード

チームマネジメント、コミュニケーション、チームワーク尺度、健康認識、健康状態分類

● 実施中の研究概要

優れた人材の育成と確保は、企業や組織にとって重要な戦略の一つであり、その中で注視されているものは、個人の適性・才能・資格・学歴といった自己資源です。当研究室では、個人の健康と組織や地域の健康を戦略的に確保していくために、健康を職場・家庭・学校という3つの場に細分化した上で、それぞれの場における人の健康と自己資源(健康資源)の活用方法を考えています。私たちは、3つの場における健康資源を効率的に活用するための進め方として、CHRIS(Comprehensive Health Resources Integrated Solution、包括的健康資源のためのソリューション群)を提案しています。
包括的健康資源とは、WHO(World Health Organization、世界保健機関)が定める健康の定義を強く意識したものであり、肉体的、精神的、社会的健康の3つを対象としています。対象の現状分析手法として、定期健康診断関連資料と主観的健康認識質問票、メンタルヘルス関連調査票、MPS尺度(目標管理・指示報告・予定管理からなるチームワーク尺度、チーム尺度と個人尺度で構成)を用いています。
現状、分析結果については対応するソリューションを開発・提案している最中です。また、研究の進捗状況は、現在それぞれのソリューション群およびその支援ツールの基礎研究段階にあります。

● 今後進めたい研究

3つの場(職場・家庭・学校)における、健康資源を研究していく場を設けていく考えです。その準備段階として、同じ知識・専門用語を共有するために、私の著書である「元気に働くための3つの基本」、「産業保健マーケティング」を私と一緒に読み解いていく場を用意しています。この場を発展させ、3つの場での健康資源を効率的に活用していくための研究を深め、社会に還元できる研究に発展させていくことが今後の課題です。

● 特徴ある実験機器、設備

当研究室で開発・提案されたKey Words Meeting(KWM)システムは、会議や教育の現場で伝えたい内容がどれくらい伝わったかを評価する「教育の形成的評価支援ツール」です。このシステムは、現在講義やセミナー等でも用いられています。
また、相手に伝えたいことを伝えるためのプレゼンテーション能力向上のための方法論(WESKT)、効率的な時間管理ツール(70%予定管理ツール)、チームワーク向上の支援ツール(WWHQ)についても開発・提案を行っています。

● 知的財産権(技術シーズ)

▶【特許】
① 『情報リレーモデル(Information Relay Model:IRMモデル)』
として、出願済み。特許 2003-192157
▶【著作権】
① 『KWMシステム』 
The 9th Postech-Kyutech Joint Workshop on neuroinformatics (2009)にて発表。
② 『チーム内人的資源確認のための質問票(What I Have Questionnaire:WIHQ)』
③ 『WESKTプレゼンテーション』
④ 『70%予定管理』
⑤ 『チームワーク評価尺度(MPS診断表)』 
(②から⑤は、ジァン・ドゥーソッブ著 「元気に働くための3つの基本」に記載)
⑥ 『健康認識質問票(Health Awareness Questionnaire)』 
ジァン・ドゥーソッブ著 「産業保健マーケティング」に記載

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

▶【受託研究】
財団法人 日本予防医学協会からのもので、
『新しい健康ステータスに関する産業保健マーケティング的研究』
従来の健康状態を表す方法としては、有病・罹患、治療中、要治療、経過観察、異常なしなど、疾病を軸にしたものが一般的です。本研究は日本予防医学協会に蓄積されている健康診断情報と健康認識関連情報をマーケティング的に分析し、健康を軸にした新たな健康状態の分類化(セグメンティング)を行い、健康行動モデル構築の基幹情報を提供することが目的です。

● 研究室ホームページ

①CHRIS (包括的健康資源のためのソリューション群)

②Key Words Meeting(KWM)システム

③WWHQおよび70%予定管理

④WESKTプレゼンテーション

●(公財)北九州産業学術推進機構研究者情報ページ

http://fais.ksrp.or.jp/05kenkyusha/srchresult.asp?ID=j-doosub01