イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九州工業大学の研究者 -私たちはこんな研究をしています-

生命体工学研究科

教授

夏目 季代久

なつめ きよひさ

所属
生命体工学研究科
人間知能システム工学専攻
プロフィール
1964
生まれ
1993
薬学博士
東京大学大学院
1990
東京大学大学院
薬学系研究科製薬化学
専攻博士課程退学
198
東京大学大学院
薬学系研究科製薬化学
専攻修士課程修了

現在の脳研究を始めたのは九州工業大学・米谷快男児教授の助手になってからです。それまではカビの一種である真性粘菌の情報処理過程の研究を行っていました。
興味深い「脳研究の世界」を紹介して頂いた教授に感謝致します。

より詳しい研究者情報へ

脳波のリズムから、記憶学習の過程を探り、応用する

● 研究テーマ

  • ❖カルバコールによる海馬β様リズムの発生機構とシナプス長期増強(LTP)
  • ❖海馬β波とてんかん波の関係
  • ❖サーカディアン リズムと脳波
  • ❖アストロサイトにおける細胞内Ca₂+濃度振動のモデル化
  • ❖ブレイン シミュレータHIPPOSTA
  • ❖英語学習中の脳は変化

● 分野

神経科学一般、Brain-inspired systems、生物物理学

● キーワード

① 神経科学一般
② 生物物理学

● 実施中の研究概要

①脳で観察されるα波、β波、θ波などの様々な脳波と記憶情報処理との関連を研究し、脳波を使って何か応用出来ないか探っています。
②研究室では、実験班、理論班、応用班の3つの班に分けて研究を行っています。
1)実験班では、脳波を生成する電気的な神経細胞ネットワークと各神経細胞内における代謝ネットワークとの相互作用に関する研究をしています。また、これら2つのネットワークの関係を明らかにすれば、神経ネットワークより創出されると考えられている記憶、創造、意識等の問題も明らかになると考えています。また脳の障害が起こる、てんかん波とθ波、β波など記憶に関わる脳波との関連も調べています。
2)理論班では、脳を構成する神経とアストロサイトの活動をシミュレーション研究により明らかにし、脳の活動をコンピュータ上で再現可能なように、ブレインシミュレータHIPPOSTATIONを開発しています。
3)応用班では、英語リズム学習時における脳波を測定すると、学習に伴いθ波の変化が観察された。この現象を用い、脳波測定を用いた英語リズム学習e-ラーニングシステムの開発を行っています。

● 今後進めたい研究

① 実験班
①海馬θ波に対する神経細胞内リン酸化酵素活性化の関与
②海馬β波に対するグルタミン酸受容体及び神経細胞内リン酸化酵素活性化の関与
③海馬てんかん波中に観察されるシナプス可塑性とギャップ結合の役割
② 理論班
①グリア細胞(アストロサイト)のグルタミン酸に対する反応に関する計算機モデル
②神経電気現象及び細胞内インタラクトームのシミュレータHIPPOSTATIONの開発
③ 応用班
①様々な英語学習時の脳波変化の検出
②脳波を用いたe-ラーニングシステムの開発

● 特徴ある実験機器、設備

① 電気生理実験装置
② 脳波計

● 過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

受託研究、細胞・局所回路網レベルのNeuroinfomatics(2005)
Wako Infomatic World No14

● 研究室ホームページ

実験で使用している海馬スライス

電気生理実験用チャンバー青い箱がヘッドアンプ

電気生理実験用増幅器

海馬スライス作成器

●(公財)北九州産業学術推進機構研究者情報ページ

http://fais.ksrp.or.jp/05kenkyusha/srchresult.asp?ID=k-natsume01