准教授
たなか ゆういちろう
ホームサービスロボットが人間のパートナーとして働く未来を目指して、脳の機能を模倣した人工知能モデルと、それを低電力で動作させるハードウェアの研究をしています。
脳を模倣した人工知能ハードウェア
ソフトコンピューティング、計算機システム
海馬、扁桃体、前頭前野、FPGA、ロボット
近年、深層学習の台頭により、人工知能技術(AI)は目覚ましい進歩を遂げ、部分的には人間の性能をも凌ぐと言われています。その一方で、現行のAIのみで人間のように働くロボットが実現できるかと言われれば、そうではないと思います。現行のAIは統計的で、膨大なデータから学習することは得意ですが、人間が当たり前のように行う”個々が経験して得られる記憶を獲得する”ことは困難です。私の研究では、脳の構造を模倣することによって、上記のような人間がもつ機能を実現しようと考えています。特に海馬や扁桃体、前頭前野と呼ばれる脳の部位とその機能に着目し、それらの機能を再現する脳型AIモデルを開発しています。さらに、この脳型AIモデルをホームサービスロボットに搭載するため、低電力に計算を行うハードウェアを開発しています。ホームサービスロボットはバッテリーで駆動するため、AIモデルが行う複雑な計算をソフトウェアで処理すると、速度が追いつかないか、速度を追いつかせようとGPUを使っても、大きな電力を消費して即座にバッテリー切れを起こしてしまいます。これを解決するためにAIモデルの計算をハードウェアにより実装するというアプローチをとり、高速でありながら低消費電力なシステムの実現を目指しています。
https://www.brain.kyutech.ac.jp/~tanaka-yuichiro/