イノベーション推進機構 産学連携・URA領域

九工大の技術シーズ

学内整理番号

出願番号

特願2015-118889

発明の名称

真空アーク推進機

研究者の名称

概要

宇宙空間で人工衛星や宇宙探査機の軌道変更,推進,姿勢制御等の機能を果たす

技術分野

小型人工衛星等の宇宙機に搭載して該宇宙機の軌道変更,推進,姿勢変更等の作動を制御することができる真空アーク推進機に関する。

発明の背景と目的

特に,高電圧太陽電池を使用して電気回路に従来のような昇圧回路を組み込むことを不要にして推進機そのものを小型軽量化して,超小型人工衛星等の宇宙機に搭載可能にしたことを特徴とする真空アーク推進機を提供することである。
本願発明は,電源に高電圧太陽電池を使用して陰極を固体推進剤で構成して小型軽量化を達成した真空アーク推進機を提供する。

発明の構成と効果

構成

この真空アーク推進機を構成する電気回路1は,陽極6に絶縁体8を介在させて陰極7を対向配設し,陰極7側に初期放電誘発用絶縁体15を設ける。宇宙空間のプラズマ14中で,電気回路1のスイッチ3をONし,陰極7における導体9と初期放電誘発用絶縁体15との間に静電放電を発生させ,該静電放電によって陽極6と陰極7との極間にアーク放電を発生させ,該アーク放電によって陰極7と初期放電誘発用絶縁体15を溶かして発生する噴射ジェットにより推進機に推力を発生させる。

効果

点火装置を不要にし,更に,固体推進剤に水分を含ませたマイクロシリカを添加して放電頻度を大きく向上させることができ,宇宙での人工衛星でも実績のある高電圧太陽電池を電源として電気回路に組み込むことにより,従来のような昇圧回路を不要にして,推進機の推進,姿勢制御,軌道変更等の作動をさせることができ,しかも,従来のようなイオンエンジンに比較して各種の部品や機器を不要にして部品点数を大幅に削減し,しかも各種部品を小型に構成して推進機の軽量化を実現することができ,超小型の人工衛星や宇宙機に搭載可能にすることができる。

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